逆転ニュルンベルク裁判

〜ユダヤの嘘を暴いてドイツの無罪を勝ち取れ!〜

いまこそ帝国の敵を現われさせよ。

われらは敵への備え怠りなし。

東方の不毛の地より、

彼はふたたび勃つこと能わず!

ドイツの地にはドイツの剣を!

かくて帝国は敢然として起つ!

        ――――ワーグナー楽劇『ローエングリン』


被告 

判事 

検察  

弁護  

陪審員      


Subject2:ホロコーストとは何か?

 「ではこれより法廷を開廷します」

 「検察側、準備完了しております」

 「弁護側、準備完了しております」

 「ではアルク検事、冒頭弁論をお願いします」

 「被告ナチスドイツは、ホロコーストを実行していた。

検察はそれが事実だったことを証明する」

 「アルク検事、ホロコーストとはなんですか?」

 「ユダヤ人絶滅計画のことだ。

ナチスは占領地域に収容所を作り、ユダヤ人であるというだけで収容所にぶち込んだ。

そしてユダヤ人絶滅計画は実行された。

以下はその定説と呼ばれているものだ」

ユダヤ人絶滅計画の定説

http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/no_frame/history/honbun/holocaust.html)より抜粋

  1. ナチスは、ベルゲン・ベルゼンをはじめとするドイツ国内の「強制収容所」の他に、アウシュウィッツ(及びビルケナウ)をはじめとする「絶滅収容所」をポーランド領内に建設した。
  2. ナチスは、ユダヤ人を「強制収容所」及び「絶滅収容所」に収容した。
  3. とりわけ、「絶滅収容所」には、ユダヤ人の大量殺人を可能とする処刑用の「ガス室」が設けられた。
  4. 処刑用「ガス室」では、「チクロンB」と呼ばれる毒ガスを使って、ユダヤ人が600万人も処刑された。

  5. 処刑後、ユダヤ人の遺体は、焼却炉をフル稼働して、焼却処分されたので残っていない。

 「4)以外ならば、ユダヤ人を殺害したことにはならない。

検察に質問する。

収容所を作ったり、収容所に入れたり、ガス室を作ったり、死体を焼けば『ユダヤ人絶滅計画』は成り立つのか?

 「……」

 「アルク検事、答えてください。

4)抜きでホロコーストは成り立つのですか?

 (……ナイスだ、サイバンチョ)

 (ニュルンベルク裁判もこれくらいしてくれていれば……

いや、半世紀も前のことを振り返っても仕方ないな…)

 「……答えはNOだ。

4)が成り立たねばホロコーストは成り立たない」

 「つまり!

ホロコーストが成り立つためには、ユダヤ人600万人が絶滅計画という明確な意図の元に殺されたという証拠が必要なわけだな?」

 「そうなるな」

 「ではアルク検事。

今回の殺人事件の被害者であるユダヤ人の死因を示した解剖記録を提出して下さい」

 「……」

 「どうしました?」

 「おい、どうした検察。

毒ガスで死んだ死体の解剖記録を出せよ

 「…それは審議が進むに連れて明らかになるだろう」

 「ふっ 毒ガスで死んだ死体が一体も確認されていないのか?

死体無き殺人事件

なんともミステリーな話だ。

殺人事件と呼ぶのもおこがましいぜ」

 「弁護人は挑発的な発言を控えるように。

しかし弁護人の言うことは正論です。

毒ガスによる中毒の場合、死体を解剖して内臓から毒物の化合物が検出されなければなりません。

毒物が臓器から発見された死体の報告例は無いのですか?」

 「……」

 「……アルク検事、死体がないのでは殺人事件とすら言えないのではないでしょうか?」

 「そんなことはない。

歴史を紐解けば大量殺人なんてものはいくらでもある。

その事件の全てに解剖記録があるかといえば答えはNOだ。

例えば古代ギリシャのアレクサンダー大王はマラリアで死んだと言われているが、検死解剖の記録なんて残ってない。

ホロコーストも同じことが言える。

ドイツは焼却炉で死体を灰になるまで焼いていた。

それを畑に巻いたり、河に流したりしていたんだ。

だから死体が見つからなかったとしても不思議じゃない。

検死解剖の結果がなくても、収容所のユダヤ人が毒ガスで殺されたことは様々な資料から立証可能だ」

 「これは紀元前の話ではなく、れっきとした現代の話だ。

1945年当時の連合国には検死する能力は十分にあった。

ましてや殺人現場が、いつ、どこの国、どこの建物、どこの部屋まで断定されているんなら、通常の殺人事件と同じく検証可能と判断できる。

通常の殺人事件の場合ならば、たとえ被疑者の自白があっても、『灰』の実物の存在まで突き止めなくては有罪にはできない。

だが、ニュルンベルク裁判では、まったく実地検証をしていない。

『川』にながした分は無理だろうが、『森林原野、畑』の分は、当時でも現在でも検証が可能なはずだ。

なんせ600万人分だからな。

しかし、それを証明した論文の類は一つも存在しない。

検察側には灰の存在を証明する義務があるのではないのか?」

 「当然だ。

もちろん『大量の灰』の存在は確認している」

 「ほぉ? それは初耳だな」

 「灰の存在はポーランド政府の調査で明らかになっている。

IHR(歴史見直し研究所)は『死体も灰もない』と言っているが、それは矛盾した発言だ。

反・ホロコースト否定を目的とする『ニツコー・プロジェクト』(The Nizkor Project)の英文サイトを日本語訳したサイトによれば、見直し論者であるマーク・ウェーバー&アンドリュー・アレンの論文『トレブリンカ』は、1946年にポーランドの委員会がトレブリンカ絶滅収容所から、20フィート以上もの深さの人間を焼いた灰を発見した、とリポートしている」

 「なんだ。やっぱり灰はあるんじゃない」

 「ほぉ? そりゃ面白い話だな」

 「つまり死体はあるってこと?」

 「ニツコーの主催者であるケン・マクベイはカナダ人で、『ホロコーストはなかった』という妄言を吐くネオナチどもと長年渡り合ってきた人物だ。

カナダの良心とも言うべき存在だな。

さて、弁護人。

灰はあるぞ。

これならば殺人事件として成り立つと考えていいのではないか?」

 「……」

 「弁護人、何か言いたいことは?」

 (……やべぇ……そんなもんがあるのか? ん?)

 (……落着けヴォルフ、連中は嘘をついている。

もし絶滅計画で殺されたユダヤ人の灰なんていう決定的な証拠が見つかっていれば、歴史見直し論者など存在するわけがない。

歴史見直し主義者(リヴィジョニスト)が世界中にいる最大の理由は何だ?

ホロコーストを立証できる物的証拠が何一つ無いからだろう?)

 (しかし現に……)

 (弁護人が被告の有罪を疑ってどうする?

それともお前は、合理主義の権化であるドイツ人がガス室なんてまどろっこしいやり方で絶滅計画を実行したと本気で思っているのか?)

 (……いえ、俺はドイツの無実を信じてます。

ドイツはガス室による絶滅計画なんてことはしていない。

本気でやるなら、もっと効率の良い方法はいくらでもあるはずですから)

 (よし、その意気だ)

 (……しかし、そうは言っても……)

 (簡単に諦めるな。

それは敗北主義だ。

いいかヴォルフ、ホロコーストを立証できる物的証拠は何一つない。

これは間違いないんだ。

だから、検察側の主張は一見すると的を得たように聞こえるが、必ずどこかで証拠と食い違っている部分がある。

手元にある証拠と比べて、検察側の主張の《ムジュン》を突きつけてやれ)

 (……《ムジュン》……ですか?)

 (そう、矛盾だ。

歴史見直し主義者(リヴィジョニスト)の執念の集大成とも言える証拠は強力な武器になる。

ヤツラにどっちが正しいのか教えてやれ)

 (…わかりました。やってみます)

 「弁護人、反論はありますかな?」

 「もちろんです」

 「ほぉ?」

 「検察側にニツコーの言い分を復唱するようお願いしたい」

 「やれやれ、何度やっても無駄だろうに。

まあいいだろう。

ニツコーはこう言っている。

見直し論者であるマーク・ウェーバー&アンドリュー・アレンの論文『トレブリンカ』は、1946年にポーランドの委員会がトレブリンカ絶滅収容所から、20フィート以上もの深さの人間を焼いた灰を発見した、とリポートしている」

 「マーク・ウェーバー&アンドリュー・アレンの論文『トレブリンカ』にはそんな内容がホントに書いてあるのか?」

 「ニツコーはそう言っているな。

論文『トレブリンカ』には、ポーランド政府が灰だけでなく、人骨や残骸も発見したと書いてある。

IHRは委員会報告の記述に、灰以外に人骨や残骸が含まれていることをネタにして「完全に焼却された」という証言に難癖をつけているのではないのか?」

 「バン!(机を叩く音)

ニツコーは嘘を書いている!

ウェーバーとアレンの論文にはそんなことは書かれていない!

 「なんだと……!?」

 「これはウェーバーとアレンの論文『トレブリンカ』の抜粋だ」

 参考資料: WeberとAllenの論文『Treblinka』より抜粋
Poland's "Central Commission for Investigation of German Crimes"reported that "large quantities of ashes mixed with sand, among whichare numerous human bones, often with the remains of decomposingtissues," were found in the five acre (two hectare) burial area duringan examination of the site shortly after the end of the war. [64]The presence of uncremated human remains is not consistent with theoften-repeated allegation that all such remains were thoroughlydestroyed. Significantly, none of the Polish reports specifies thequantity of human remains, the numbers of corpses, or the amount ofash found at the camp site, which suggests that evidence of hundredsof thousands of victims was not found. [65]

 「この論文によれば、“ポーランド政府”はトレブリンカ絶滅刑務所の調査によって、灰、及び人間の体の残骸を2ヘクタールの埋葬地で発見したとある。

1ヘクタールは10000平方メートル、ちなみに東京ドームのグラウンドの面積は13000平方メートルだから、東京ドーム1.5個分の埋葬地だ。

つまり、灰が実在することは事実だ」

 「ふっ やはり―――」

 「しかし! それはポーランドの主張であって、ウェーバーとアレンの主張ではない。

2人が指摘しているのは、どれくらいの量の灰があるのかをポーランド政府が示していないということだ!」

 「どういうことですか?」

 「当時のドイツではチフス患者の死体はすぐに燃やしていました。

病死した死体を放って置けば、死体から伝染病が蔓延するからです。

従って灰があるのは当然のこと。

ここまで問題なのは、何千何万人が殺されたはずなのに、それらが確認できないことにあります!」

 「何?」

 「もし何万トンもの灰が見つかればそれは決定的な証拠となる!

だが、そんなものがあるなら、ポーランド政府は何故それを法廷に提出しなかったのか?

答えはただ一つ。

何万トンもの灰が確認されなかったからだ!

 「

 「おそらくポーランドは数十人分、あるいは数百人分の灰しか見つけられなかったんだろう。

つまり病死した人間の分だけしか見つからなかった。

だから提出した資料に灰の量を書かなかった」

 「なるほど。

たしかに灰の量を書けば『何万人が焼かれた』って話が嘘だとばれちまう。

逆算すれば灰の量から死んだ人間の数が計算できるからな」

 「当然、ウェーバーとアレンは20フィートの厚さの灰など認めてはいない。

そこの記述は、ニッコーのサイトを日本語訳した管理人が誤訳したか……

あるいは、ニッコーが最初から嘘をついていたか……

どちらにせよ、何万トンもの灰など見つかっていないのが現状だ!

そしてIHRは「『何万トンもの灰が実在する』という立証がなされていない」という証拠を持っている」

 参考資料 ユルゲン・グラーフ著 「現代の最大の冒険:ホロコースト修正主義

Jürgen Graf, The Greatest Adventure of Our Time: Holocaust Revisionism 歴史的修正主義研究会試訳
「目撃証言によると、当初、死体は巨大な大量埋葬地に埋められていたが、その後、ドイツの敗色が濃くなったときに、ほとんど燃料を使わずに、戸外で焼却されたということです。したがって、トレブリンカ全体は、これらの埋葬地とともに存在していたことになります。2000年8月、私はオーストリアの技術者リヒャルト・クレーゲとともにトレブリンカとベルゼクで数日間を過ごしました。ベルゼクも、60000人のユダヤ人が(戦時中の話では電気によって、戦後の話ではディーゼル・エンジンによって)殺されたとされている「絶滅収容所」です。クレーゲは、大量埋葬地だけではなく鉱物資源の探査にも使われる地上レーダー装置を使って、これらの収容所の区画を調査しました。この装置は地下の地質構造の乱れも探査します。数百名の埋葬地が存在したにちがいないと思われるベルゼクのある地点をのぞいて、トレブリンカにもベルゼクにも、巨大な埋葬地があったと思われる場所、地下の地質構造の乱れもありませんでした。クレーゲは自分の研究を公表していますが、それは、トレブリンカとベルゼクの神話の終焉を意味することでしょう。」

 参考資料:Journal of Historical Review著 The Holocaust Reviewed: Part Four
(アドレス:http://www.stormfront.org/whitehistory/treblinka.htm

 

↑ 左:地中をスキャンするリヒャルト・クレーゲ(オーストラリアの技術者)の研究チーム
右:地下数メートルに渡って地層にまったく乱れがない。

※ 1999年10月の6日間、ユルゲン・グラーフはリヒャルト・クレーゲとともに8万ドルの地上レーダー装置でトレブリンカの埋葬地(とされている場所)の地層を調査した。この装置は10メートルの深さまで調べられ、地質学者、警察官、考古学者らによって使われている。

 「二人が使った『地上レーダー装置』は一般の道路工事で普通に使われている地中レーダーのことだろう。

道路工事や地面に穴を掘るとき、地下のケーブルや水道管を壊さないようにレーダーで地層を調べることはどこの国でもやっている。

その結果が『地質構造の乱れがなかった』ということだ。

検察は二人の行動に敬意を払うべきだろう。

本来は検察側がやるべき行動だからな!」

 「ぬ! ぐぬぬぬぬっっっっ……!」

 (……さて、どう出る?)

 「……ふっふっふっ……

なかなか面白い話だねぇ、弁護士クン……」

 「弁護士クンって……お前は御剣か?」

 「ホラ、これって逆転裁判のパロディ小説だから」

 「パロディねぇ……ゲームをやったことがないくせに。

Flashを見ただけじゃないのよ……

パロディのパロディ……原作のイメージぶち壊しね……」

 「問題ない。

いつものことだ」

 「やったこと無いほうがオリジナリティが出ていいと思うわよ」

 「足りないところは想像力で補えばいいんだしね」

 「さて、弁護側としては御剣検事の意見を聞きたい」

 「こっちもノリノリだな」

 「ふむ、君の意見は正論だ。

たしかに何万トンもの量は確認されていない。

だが、灰があるのは事実なのだろう?」

 「……

たしかにな。その点は認める。

しかし、『灰があった → 殺人があった』という論理は成り立たない。

その点も承知してもらいたい」

 「こころえた」

 「さて、いきなり白熱したバトルが展開されたわけですが、今回は読者にホロコーストについての研究の現状を分かりやすく伝えるために、いくつかの質問を用意しておきました。

これに沿って話を進めたいと思います。

どうでしょう?」

 「弁護側、問題ありません」

 「検察側、問題ありません」

 「ではさっそく準備をしますので、しばしお待ちください」

 「よくやったなヴォルフ」

 「大尉」

 「その調子だ。

検察側はありとあらゆるを並べまくってくるだろう。

実際、ホロコースト肯定派の言い分はどんどん変化している

だが、一つ嘘をつけば、それを隠すために次々と嘘をつかねばならない。

証拠を突きつけながら、各個撃破して連中を追い詰めるんだ。

ヤツラの化けの皮を引っぺがしてやれ」

 「……了解です」

 「さて、質問の準備ができました。

さっそくいきましょう」