メルマースタイン著「パンのみにて」

「IHRが『ホロコーストを証明したら賞金出す』と宣言したら自称証人が名乗り出て、裁判に負けて払わなければならなくなった」という話は聞いた事がありましたが、その詳細を知る機会がありましたので、紹介します。

1979年、IHR(Institute for Historical Review)は、殺人ガス室が存在したという検証可能な証拠に5万ドルの報奨金を出すと公言した。

これに異議を唱えたのが、ハンガリー生まれのユダヤ人、メルマースタインだった。

彼は、自分の母親と二人の姉妹がガス室に誘い込まれるのを見たと明言した。

その証拠として、彼は自らの自伝的回想録『パンのみにて』(By Bread Alone)を用いた。

この本の中で彼は、父親から母親と妹が生きたまま焼かれたと聞いた事を語っている。

“Your mother and sisters are...”

He paused a moment, unable to go on.

“And you must not torture your minds about their fate. Yes, yes. Look! There!”

And he pointed to the flaiming chimneys. The vision of my mother, Etu and Magda being burned alive made me feel faint.

(p.129)

後に彼は、叔父が自分の母親と妹がガス室に連れていかれたことを聞いたと自著の中で語っている。

He made his way back to Munkacs, where his uncle, Moshe-Aron, told him that none had survived. Moshe-Aron said he had heard that Mermelstein's mother and sisters hade been:

“Lead to the gas chambers at Birkenau.”

(P.240-241)

彼は、カリフォルニアの新聞に掲載された手紙の中で、自分の母親と二人の姉妹がトンネルを通って5号ガス室に連れて行かれるのを目撃した、と再び話を変えることになる。

Press-Telegram LONG BEACH, LACIFORNIA JULY 29, 1980

I witnessed my own mother and two sisters driven among others to the tunnel for their final station, the Gas Chamber No.5 at Birkenau. It was May 22, 1944, at dawn. I remember it. I was but a stone's throw away from the gas chambers and crematoriums...

5号ガス室も、そこに通じるトンネルもなかったのに。

カリフォルニア州上級裁判所のトーマス・ジョンソン判事はIHRに不利な判決を下し、メルマースタインに7万ドルの報酬を与えたが、これはユダヤ人のガス処刑は単なる事実であり、争うべき妥当な対象ではなかったというものであった。

……ドイツ人にとってのホロコースト問題は、日本人にとっての慰安婦問題のようなものですね。


追記:

45:40から始まる、イギリスによる第二次世界大戦中の戦時プロパガンダの方針を動画でなく画像で見たい場合は、こちらのサイトを参照ください。

日独の残虐行為の捏造は、ロシア赤軍の残虐行為を隠すためであった