ソフィア先生の逆転裁判2
〜ユダヤの嘘を暴いてドイツの無罪を勝ち取れ〜

Subject10: ロイヒタ―レポートについて

 「そもそもロイヒタ―・レポートはどのようにして作られたのでしょうか?」

 「ロイヒタ―・レポートは、違法手段で作られたまがい物だ」

 「違法手段?」

 「不法侵入、器物破損、窃盗。

まともな人間のすることじゃない」

 「……何したのかしら?」

 「さあな、なんせアメリカ人のやることだから……」

 「どういう意味だ!」

 「裁判で負けなければ何をやってもいいと思ってる国民だろ、アメ公は」

 「違うっ!」

 「まあまあ、怒らない怒らない。

『トムとジェリー』みたいに仲良く喧嘩しましょうよ」

 「トムとジェリ―ねぇ……」

 「いや、間違ってはいない。

ジェリーは、ドイツ軍の使っていたジェリ缶から取った名前。

狡猾なネズミのジェリ―はドイツ軍を意味しているんだ。

トムはトミー。

英軍のことはトミーって言うだろ?

『トムとジェリ―』は対ドイツ・プロパガンダアニメなんだよ」

 「ホンマかいな」

 「ロイヒタ―・レポートの発端はツンデル裁判の証拠として作られることにはじまった。

フレット・A・ロイヒタ―(Fred A. Leuchter, Jr)  は、戦後・戦中に生まれた普通のアメリカ人と同じように、『ホロコーストがあった』と教育され、600万人という数が多すぎるような気がしたが、教科書の中の出来事くらいしか思っておらず、基本的にはホロコーストを信じていた。

要するに、普通のアメリカ人だったわけだ。

1988年1月の雪の降る午後、ロイヒタ―はいつものようにデスク・ワークをしていた。

すると、電話がなった。

 「もしもし、私はロベール・フォーリソンです」

電話の主はホロコースト見直し派のフランス人学者R・フォーリソンだった。

電話の先日、ミズーリ州刑務所のワーデン・ビル・アーモントロートが、ツンデル弁護団の証言者としてガス室に関する報告書を書くように依頼してきていたのだ。

ロイヒタ―はフォーリソンと米国・ボストンで2度会い、ロイヒタ―はエルンスト・ツンデルに会ってみる気になった。

1988年2月14日、ちょうどバレンタインの日に、ロイヒタ―と奥さんのキャロラインはカナダ・トロントへ飛んだ。

そこでロイヒタ―はエルンスト・ツンデル  や、彼の弁護士ダグラス・クリスティ  に会い、

他の有能な弁護士らと2日間に渡って議論した」

 「クリスティっていうと、ツンデル裁判でラウル・ヒルバーグ  のプライドを叩き潰した弁護士だな。

ヒルバーグはツンデル裁判でボコボコにされたもんだから、もう検察はやりたくないって泣きが入ってたそうじゃねぇか。可哀想に」

 「それが弁護士の仕事よ。検察に嫌われることは弁護士にとっては名誉なことじゃない?」

 「そんなもんかね?」

 「R・フォーリソン  は1978年、『アドルフ・ヒトラーのもとではガス室は一つもなかった』という説を主張した。

もちろん、『ドイツ国内に処刑用のガス室がなかった』というわけではなく、『絶滅計画用のガス室が無かった』という意味だ。

1975年にはナチハンター・サイモン・ウィーゼンタールでさえ、『ドイツ国内にガス室はなかった』と書いているから、当然と言えば当然の話だな。

フォーリソンはアウシュヴィッツのガス室を法医学的に検証すべきだと唱えていた。

それから10年後の1988年2月、ツンデル弁護団との2日間の議論の末、ロイヒタ―は『ガス室はインチキ臭い』という疑惑を持った」

 「それで、不法侵入による実地検証を計画したというわけだ」

 「そう。殺人事件なのにもかかわらず、死体もなければ実地検証も許可しないという前代未聞の殺人事件の実地検証をな。

不法侵入が犯罪ならば、実地検証の妨害こそ犯罪ではないか。

殺人事件かどうかすらもわからんのに、教科書に載ってしまえばこちらのものと言わんばかりのやり口。

大したものだな連合国の民主主義は。

『連合』はロシア語で『ソヴィエト』

名は体を表すとはよく言ったものだ」

 「それはたまたまだと思うが……」

 「ガス室の検証を行うためにロイヒタ―はポーランドへ旅立つことになった。

しかし当時のポーランドは共産圏。

観光客としてアウシュヴィッツに訪れる人間は少なくないものの、旅行カバンの中にハンマー、のみ、ドリル、巻尺を入れる旅行者は怪しいことこの上ない。

かといって現地で旅行者がこれらを買うのはもっと怪しい。

というか、共産圏でそんなものが易々と手に入るかどうかもわからない」

 「専門店に行けば買えるんじゃないの?」

 「そんなものはないんだよ、東側じゃな」

 「だってそんなに高いものじゃないでしょ?」

 「値段の問題じゃないんだよ。

東側は自由に商売ができないから、物が慢性的に不足しているんだ。

食料だって闇市場でしか手に入らない状況だからな」

 「共産圏はどこでも同じね。北朝鮮も独自路線だけど原型は共産圏だから」

 「慢性的な物資不足ってのは福祉にも影響している。

ソ連では医療費は無料だ。

しかし、一人の診察時間は15分で、診察時間の半分は書類に書くことに費やされる。

物資も医者も不足していて、順番は全然まわってこず、たとえまわってきても薬なんてもらえない。

満足な治療を受けるには医者や看護婦に賄賂を送って優先してもらうしかないんだ

というわけで、医療費は無料だが、診察を受けるには賄賂が必要なのが東側の医療事情だ」

 「うーん、たしかにそんなところじゃ専門道具なんて手に入らないかも……」

 「ロイヒタ―は共産圏の特徴を知っていたようだな。

彼は博物館の文書のコピーを手に入れるために、旅行カバンの中に贈り物を入れておいた。

何を贈ったのかはわからんが、だいたい想像はつく。

1988年2月25日、ロイヒタ―の妻キャロラインを含めたロイヒタ―のスタッフ達はドイツ・フランクフルトで合流したのちポーランドへ出発。

25日の午後、ポーランド・クラコウに到着し、その日はホテル・オルビスで一泊。

翌日の26日、アウシュヴィッツまで車で移動し、アウシュヴィッツ・ホテルに到着。

この日はアウシュヴィッツ・ツアーに観光客として参加し、夕暮れには雪荒らしが吹き荒れた。

27日、ロイヒターはアウシュヴィッツIの調査をはじめようと思ったが、この日は日曜日で観光客が多く、それどころではなかったらしい」

 「観光名所の調査日を日曜日に選ぶとは…… 一体何を考えているんだ」

 「何も考えてなかったんだろうな。

とりあえずこの日はアウシュツビッツIを諦め、ビルケナウを調べることにした。

ところがビルケナウは観光名所とはいえ、とても広い。

ビルケナウの中は車で移動できないし、この日は猛吹雪だった。

1フィート離れるとお互いが見えなかったそうだ」

 「1フィートは30.48センチだろ?

そんな雪吹雪の日を調査日に選ぶとは… 何を考えてんだこのおっさんは」

 「何も考えてなかったんだろうな。

おまけに奥さんのキャロラインを車に置いてきたのはよかったが、車のキーを渡すのを忘れたため、彼女はもう少しで凍死するところだったらしい」

 「何考えるのかしら……」

 「何も考えてなかったんだろうな。

とにかく冬のポーランドを舐めていたため、ロイヒタ―達は酷い目にあったそうだ。

仕事自体は4時間かけて無事終了した。

バラック、第2、3、4、5火葬炉、サウナ、そして死者を焼いたという穴を見て回り、裁判標本を採取。

テープや写真で私たちの活動を写し、設備の大きさを計った。

標本の採取場所は、全て注意深く記録しておいた」

 「このとき、サウナの建物は鍵がかかっていたから、ロイヒタ―はドアを壊して中に入った

 「はい?」

 「凄い行動力ね」

 「こうしてビルケナウの作業が終った一向は、アウシュヴィッツで唯一のレストラン、バス停のレストランで食事を摂り、夜にはアウシュヴィッツへ戻った。

1988年2月26日、月曜日で観光客も少なく、作業は無事に終った。

そのあと、再びビルケナウの調査に向かった。

これは第1シラミ駆除設備での基準標本を取るためだった」

 「このときシラミ駆除設備のある建物は鍵がかかっていたから、ドアを壊して中に入ったわけだ」

 「よく物を壊す人ですね」

 「27日、ロイヒタ―たちはアウシュヴィッツI収容所内のビデオ撮影をした」

 「撮影の間、他のスタッフがチクロンBの空き缶を盗もうとしたが、これは失敗に終った」

 「それって重要文化財の窃盗未遂じゃないの?」

 「いいや、科学実験だ」

 「苦しい言い訳ね」

 「28日、ポーランド・ルブリンのマイダネク収容所に向かった。

マイダネクのガス室は門が閉じていて、一般の人間は立ち入りが禁止されていた」

 「それで、門を乗り越えて立ち入り禁止区内に侵入したわけだ」

 「それって不法侵入じゃないの?」

 「これだからアメリカ人は……」

 「……」

 「こうしてロイヒタ―が不法入手したサンプルは20ポンド(約9kg)に及んだ。

1988年3月3日、アメリカに戻ったロイヒタ―は、MITの開発オタクども……もとい、マサチューセッツの実験室に裁判標本を送った。

このとき、ロイヒタ―はこの標本がアウシュヴィッツのガス室のサンプルであることを告げなかった。

こうして出た化学分析の結果と、現地で調査した結果をもとに、ガス室が本物であるかどうかを記述した報告書がロイヒタ―・レポートだ」

 「それでロイヒタ―・レポートの結論は?」

 「ポーランドのガス室、火葬炉を念入りに調査した結果、合理的な思考を持ち、責任感のある人物が出せる結論は唯一つ。

こうした設備のどれ一つとして、処刑用ガス室として使われたと考えることは馬鹿げている

これがロイヒタ―の結論だ。

構造からガス室でないことはすでに証明したが、ロイヒタ―・レポートの化学分析結果は『ガス殺があった』という証明がされていないことを立証するに十分だ。

ホロコースト肯定派はロイヒタ―・レポートが違法手段で得たものだから信じられないという。

しかし、違法だろうが何だろうが、ロイヒタ―・レポートの化学分析結果自体に文句を言う科学者はいない

 「化学分析というものは、複数の科学者が同じ実験を行い、データの差を比べて正しい値を見つけるもの。

ロイヒタ―・レポートの結果が正しいということは、他の科学者も同じ結果を出したということですか?」

 「その通り、1992年にゲルマール・ルドルフというドイツ人科学者がルドルフ・レポートを公開した。

ルドルフ・レポートはロイヒタ―・レポートを裏付ける分析結果を出した。

ロイヒタ―とルドルフ双方のがここにある」

Table 3: Cyanide Concentrations in the Walls of 'Gas Chambers' and Delousing Chambers of Auschwitz & Birkenau
No. Location Sampler c[CN-]mg/kg
1-7 Crematorium II, mortuary 1 ('gas chamber') Leuchter 0.0
8 Crematorium III, mortuary 1 ('gas chamber') Leuchter 1.9
9 Crematorium III, mortuary 1 ('gas chamber') Leuchter 6.7
10,11 Crematorium III, mortuary 1 ('gas chamber') Leuchter 0.0
13,14 Crematorium IV, remnants of foundation wall Leuchter 0.0
15 Crematorium IV, remnants of foundation wall Leuchter 2.3
16 Crematorium IV, remnants of foundation wall Leuchter 1.4
17-19 Crematorium IV, remnants of foundation wall Leuchter 0.0
20 Crematorium IV, remnants of foundation wall Leuchter 1.4
21 Crematorium V, remnants of foundation wall Leuchter 4.4
22 Crematorium V, remnants of foundation wall Leuchter 1.7
23,24 Crematorium V, remnants of foundation wall Leuchter 0.0
25 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 3.8
26 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 1.3
27 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 1.4
29 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 7.9
30 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 1.1
31 Crematorium I, mortuary ('gas chamber') Leuchter 0.0
1 Crematorium II, mortuary 1 ('gas chamber') Rudolf 7.2
2 Crematorium II, mortuary 1 ('gas chamber') Rudolf 0.6
3 Crematorium II, mortuary 1 ('gas chamber') Rudolf 6.7/0.0
3 Crematorium II, mortuary 1 ('gas chamber') Ball 0.4
4 Crematorium III, mortuary 1 ('gas chamber') Ball 1.2
5 White Farm House, remnants of foundation Ball 0.07
6 Crematorium V, remnants of foundation wall Ball 0.1
32 Delousing Room B1a BW 5a, inside Leuchter 1,050.0
9 Delousing Room B1a BW 5a, inside Rudolf 11,000.0
11 Delousing Room B1a BW 5a, inside Rudolf 2,640.0/1,430.0
12 Delousing Room B1a BW 5a, inside Rudolf 2,900.0
13 Delousing Room B1a BW 5a, inside Rudolf 3,000.0
14 Delousing Room B1a BW 5a, outside Rudolf 1,035.0
15a Delousing Room B1a BW 5a, outside Rudolf 1,560.0
15c Delousing Room B1a BW 5a, outside Rudolf 2,400.0
16 Delousing Room B1b BW 5b, outside Rudolf 10,000.0
17 Delousing Room B1b BW 5b, inside Rudolf 13,500.0
18 Delousing Room B1b BW 5a, wood from door jamb Rudolf 7,150.0
19a Delousing Room B1b BW 5b, inside Rudolf 1,860.0
19b Delousing Room B1b BW 5b, inside Rudolf 3,880.0
20 Delousing Room B1b BW 5a, inside Rudolf 7,850.0
22 Delousing Room B1b BW 5a, inside Rudolf 4,530.0
1 Delousing Room B1b BW 5b, inside and outside Ball 3,170.0
2 Delousing Room B1b BW 5a, inside and outside Ball 2,780.0
28 Crematorium I, Washroom Leuchter 1.3
5 Inmate barracks Rudolf 0.6
6 Inmate barracks Rudolf <0.1
7 Inmate barracks Rudolf 0.3
8 Inmate barracks Rudolf 2.7/0.0
23 Inmate barracks Rudolf 0.3
24 Inmate barracks Rudolf 0.1
25 Untreated brick from collapsed Bavarian Farmhouse Rudolf 9.6/9.6
Concentrations are in mg of cyanide (CN-) per kg of building material (brick, mortar, concrete, plaster). Cyanide values of less than 10 mg/kg are uncertain, samples returning values of less than 1-2 mg are considered cyanide-free. If two values are given, the second value gives the result of a control analysis performed by a different company.

↑ ガス室の化学分析結果
Germar Rudolf, Some Technical and Chemical Considerations about the 'Gas Chambers' of Auschwitz and Birkenau, Ernst Gaus, Dissecting the Holocaust. The Growing Critique of 'Truth' and 'memory', (Ed.), Theses & Dissertations Press, Capshaw, AL, 2000より

 「表の最初の部分は、いわゆる『ガス室』からのサンプル。

第二の部分は、害虫駆除室からのサンプル。

第三の部分は、「ガス室」にも害虫駆除室にも関係のないサンプルの分析だ。

焼却棟IVとVおよび農家(「ブンカー」)の土台と土台の壁の資材がオリジナルなものであるかどうかは判然としないが、ここから取られたサンプルすべても適切なカテゴリーに入れることができるかもしれない」

 「焼却棟IV、Vの資材がオリジナルでないってのはどういうこと?」

 「暴動で爆破されたり、戦後の資材不足で持っていかれたりして、焼却棟IV、Vはオリジナルの素材ではない可能性が高いんだ。

土台は持っていけないから本物の可能性が高いけどな」

 「チクロンBは殺虫剤だった。

アウシュヴィッツの建物は青酸ガスによる消毒をされており、建物自体は全て青酸ガスを吸収している。

バイエルンの農家の廃屋から採取したサンプルは、第三の部分でもっとも高い9.6mg/kgを示した。

ガス室に関係のない場所から9.6mg/kgが検出されたわけだから、この値以下の濃度は全て消毒による反応と見るべきということになる。

そして、第一の部分は9.6mg/kg以下の値しか検出されなかった。

つまり……」

 「ガス室でガス殺の跡が確認できないってこと?」

 「そういうことだ。

だがこれは全然おかしいことではない。

実を言えば、化学分析や設計図を調べなくても、この結果は最初からわかっていたことだ。

この写真がすでにガス殺を否定している

アウシュヴィッツIのガス室の写真がな」

 「……」

 「この写真が?」

 「そう。この写真が青酸ガスによる大量殺人を否定しているんだよ。

さて、読者の皆はわかるかな?

 「こいつはちょっと難しいな……」

 「……わからないわね」

 「ではヒントを出そう。

「John Ball, 12 'Eye-Witness' Stories Contradicted by Air Photos」より引用したこの写真はゲルケナウにある2つの害虫駆除用ガス室のうちの1つの内部を撮影した写真だ」

 「なんでこの人は顔を隠しているの?」

 「さあな。ホロコーストを否定することは命がけの作業だ。

匿名のインターネットくらいでしか声高に言うことはできない。

だから顔を隠しているのだろう。

それはともかく、この写真と上の写真を比べて何か違う点はないか?」

 「青い染み……? かな。アウシュヴィッツIの壁には青い染みがないわ。もしかして……これ?」

 「正解」

 「意味がわからん、だいたいこの青い染みは何なんだ?」

 「この青い染みはプロシアン・ブルーと呼ばれるシアン化合物だ。

『青酸ガス』を化学的な名称で呼べば『シアン化水素』となる。

この『シアン化水素』は『鉄』と反応して、『プロシアン・ブルー』を生成する。

『プロシアン・ブルー』は極めて安定した物質で、数百年は自然崩壊しない。

数年間、毎日のように青酸ガスによる殺人が行われたのならば、ガス室の壁にはプロシアン・ブルーが生成されるはずだ。

現に害虫駆除室の壁には、プロシアン・ブルーが生成されている。

しかし、アウシュヴィッツのガス室と呼ばれている部屋の壁にそれはない。

これは、大量の青酸ガスがこの部屋で撒かれなかったということを示しているんだよ」

 「プロシアン・ブルーは生成される条件が限られている。

アウシュヴィッツIのガス室に青酸ガスが撒かれても、必ずしもプロシアン・ブルーが生成されるとは限らない!」

 「コンクリートの部屋で大量の青酸ガスが撒かれればプロシアン・ブルーは生成されるぞ。

条件は十分整っているとみるべきだ」

 「コンクリートの部屋?

何を馬鹿なことを……

化学式を見れば最低でも2価鉄と3価鉄が必要なのは明らかだ。

鉄はどこから持って来るんだよ」

 参考資料 「鉄+シアン化水素→プロシアン・ブルー」の化学式

Fe+2 + 6CN-1 ----> [Fe(CN)6]-4
4Fe+3 + 3[Fe(CN)6]-4 ----> Fe4[Fe(CN)6]3

 「鉄? 鉄なら建築材料の中に含まれているではないか」

 「何?」

 「煉瓦(レンガ)、砂、セメントには一定量の錆び(酸化鉄、普通は1〜4%)が含まれている。

これが煉瓦(レンガ)を赤色あるいは黄土色にしているし、砂の多くを黄土色にしているんだ。

コンクリートの壁は何で出来ている?」

 「セメントね」

 「そーいうことだな」

 「ぐっ…!」

 「ところで何で化学式の引用元がドイツなの? 化学式は世界中どこでも共通でしょう?」

 「プロシアン・ブルーって書いてあるからな」

 「それとこれとは別問題のような……」

 「ふははははははははははは!

 「……… 可哀想に……暑さで脳をやられたか……」

 「……楽にしてやるのも将校の務め、か……」

 「務めって、をい……」

 「ふっ なかなか楽しませてもらった。

ルドルフ・レポートの化学分析は確かにリヴィジョニストの主張を裏付けている。

しかし、それはルドルフ・レポートが正しい場合の話だ。

クラクフのヤン・ゼーン研究所の化学分析によれば、各クレマから高濃度のシアン化合物が残留物が検出されていることが確認されている。

そのデータはニッコーのWebサイトに載っていて、誰でも自由に閲覧することが可能だ」

 「ニッコーねぇ……」

 「アウシュヴィッツのガス室の化学分析を行ったのは公式には3チームのみ。

ロイヒタ―、ルドルフ、そしてクラクフのヤン・ゼーン研究所。

このクラクフ研究所の分析結果がロイヒタ―・レポートの結論を覆しているというのですか?」

 「その通り」

 「でももし、ロイヒタ―・レポートの結論を覆す分析結果が出たのが本当なら、ガス殺の結論は出せないわね」

 「うーん、こーいうのって、そう簡単に結論が出せるもんじゃないのかも」

 「ふっ まあそーいうことだ。

ネオナチの諸君、無駄な努力ご苦労であった」

 「弁護人、何か言うことは?」

 「…ヤツラ、許さん!

 「派手に迎えてやろうぜ

 「検察は巧妙な嘘をついている!

ニッコーのWebサイトの化学分析結果に証拠能力はない!

 「ふっ 何を根拠に……」

 「だってニッコーだぜ?」

 「今までが今までだしね。信用がないのはしょうがないわよ」

 「それは理由にならない!」

 「……そりゃそうだ」

 「ニッコーで扱っているシアン化合物は、シアン化イオンだ。

だが、非鉄シアン化合物は安定性がなく、50年が経過した状態ではほとんど見つからないだろう。

もしサンプルからプロシアン・ブルーを削除すれば、ガス室だろうが、非ガス室だろうが、明確な反応なんて出やしない。

だからこそ、リヴィジョニスト(歴史修正主義者)たちは安定性の高いプロシアン・ブルーをサンプルに選んだ」

 「つまり……

ヤン・ゼーン研究所のやり方ではガス室と非ガス室の区別をつけることは不可能ってこと?」

 「その通り。

そして、サンプル対象がプロシアン・ブルーの場合なら、シアン化イオンの検出量がはっきりガス室と非ガス室を区別していることがわかる」

 参考資料:

表4:様々なサンプルの分析結果の比較
著者: マルキエヴィチ他(ヤン・ゼーン研究所) ロイヒター ルドルフ
現場の検査 シアン化鉄無しのシアン化合物(短期安定シアン化合物) 全面的なシアン化合物 全面的なシアン化合物
Delousing Chambers: 0 - 0,8 mg/kg 1.025 mg/kg 1.000 - 13.000 mg/kg
Alleged Gas Chamber: 0 - 0.6 mg/kg 0 - 8 mg/kg 0 - 7 mg/kg

↑ 表4:様々なサンプルの分析結果の比較
(ゲルマール・ルドルフ著 『アウシュヴィッツとビルケナウの「ガス室」に関する技術的・化学的考察』
Germar Rudolf,
Some Technical and Chemical Considerations about the 'Gas Chambers' of Auschwitz and Birkenau, Ernst Gaus, Dissecting the Holocaust. The Growing Critique of 'Truth' and 'memory', (Ed.), Theses & Dissertations Press, Capshaw, AL, 2000より)

 「見ての通り、データからは明らかにガス室と非ガス室を明確に区別できる。

ヤン・ゼーン研究所は、『処刑用ガス室と害虫駆除用ガス室からは同量のシアン化合物が検出されたから、ロイヒタ―・レポートは間違っている』と言いたかっただろう。

しかし、別の科学者が検出したら全然違う結果になった。

これはヤン・ゼーン研究所がインチキな方法を実行したことを意味している」

 「ふむ」

 「さらに弁護側は、ヤン・ゼーン研究所が確信犯であることを証明する証拠を持っている!」

 「確信犯って、どういう意味?」

 「こーいう意味だそうです」

 参考資料:「確信犯」の意味 三省堂提供「大辞林 第二版」より
「道徳的・宗教的・政治的な信念に基づき、自らの行為を正しいと信じてなされる犯罪。思想犯・政治犯・国事犯など」

 「ふーん」

 「プロシアン・ブルーをサンプルから削除した時点ですでに確信犯だろう。

プロシアン・ブルーの特性を知っていたからこそ削除したことは誰の目にも明らかだ」

 「そりゃそうなんだが、それを言ってしまうとせっかく集めた資料が無駄になっちまう」

 「それで確信犯とは?」

 「クラクフのヤン・ゼーン研究所は、自分たちが間違った分析方法をしていることを十分承知のうえでニッコーサイトのデータを公表したんですよ。

1991年、ヤン・ゼーン研究所から分析結果が漏洩して、リヴィジョニスト(歴史修正主義者)の手に入り、その後、彼らの雑誌に公表された。

もともと、漏洩したデータ自体そのものは、ヤン・ゼーン研究所自身の手で1990年に公表されるはずだった。

しかし、研究所はそのデータを封印した」

 「その封印したデータが漏洩したと…… そういうことですか?」

 「その通りです」

 「なぜヤン・ゼーン研究所は最初のデータを封印したのでしょうか?」

 「それはデータを見れば簡単にわかることです。

ヤン・ゼーン研究所が『殺人ガス室』から採取した5つのサンプルのうち1つだけに、ごく少量のシアン残余物が検出され(0.024mg/kg)、それ以外のサンプルには、まったく検出されなかった。

一方、害虫駆除室からのサンプルには、20倍も高い数値までもが検出された(0.036〜0.588mg/kg)。

この結果は、絶滅刑務所用のガス室は明らかに偽物だということを示してます。

だが、ヤン・ゼーン研究所はこの結果を認めたくなかった

そして1994年の論文では、この結果を封印して別のデータを使った。

それがニッコーに載っているデータです。

ヤン・ゼーン研究所は知っているんですよ、ガス室が偽物ということをね」

 「なるほど」

 「ゲルマル・ルドルフは、ヤン・ゼーン研究所が最初のデータを無視した論文を書いたことについて、こう書いている。

このような非倫理的振る舞いをした科学者は、学会から追放されるべきである』と。

こんないい加減なデータをソースにしているのは、ニッコーくらいなものだぜ」

 「……」

 「さすがニッコー。期待を裏切らないな」

 「ロイヒタ―・レポートの分析結果を覆すデータは存在しない。

それはロイヒタ―・レポートの分析結果が正しいこと。

すなわち、ガス殺が確認できないことを意味する」

 「ぐ……ッ!」

 「以上のことからわかることは……

バン!(机を叩く音)

アウシュヴィッツ博物館は世界最大のインチキ博物館だということだ!

写真からも伝わる陰気な雰囲気、ホロコーストの聖地、悪魔の所業の跡地。

全てはポーランド共産政権が仕組んだ演出だった。

ツアーでは、観光客はガイドの説明で聞きながら展示物を見て、ガス殺のイメージを最大限に膨らませていく。

誰もがその雰囲気に圧倒され、完全に思考停止になったところへガス室を見せられる。

世界史上類を見ない凶悪犯罪を忘れないために作られた平和の象徴の博物館が、まさか最初から最後まで嘘ばかりとは誰も思わない。

これを教育と呼ぶ連中がいる。

だが、こんなものは教育でもなんでもない。

ただの洗脳だ!

ドイツの子供たちは幼い頃から、自分たちの父や祖父や曽祖父達が人類史上最大の悪党だったとして刷り込まれる。

子供たちは、自国の歴史を学ぶたびに罪悪感を背負い、ドイツ人であることに嫌悪感を持つ。

10歳にも満たないうちからこんなものを見せられれば、どんな人間だって捻じ曲がって育つ。

ホロコースト物語によって、ドイツは国家としてほとんど再起不能になった。

そして日本と違い、そのトラウマを払拭することはおろか、疑問を持つことさえ法律で禁止されてしまっている。

『ドイツは日本と違って、憲法も教育も手をつけられなかった』と言われているが、その代償はあまりにでかい。

インドのパル判事は、『東京裁判のダメージは原爆よりも深刻だ』と言った。

だが、俺はこう断言できる。

ニュルンベルク裁判のダメージは東京裁判よりも深刻だ!

 「……」

 「……弁護側の主張は以上です…… いいですよね?」

 「ああ……」

 「……検察はどうですか?

弁護側の主張に何か反論は?」

 「……ふっふっふ……」

 「何がおかしい」

 「これが笑えずにいられるか? ええ? なかなか楽しいショーだったよ弁護士クン」

 「おっ ミっちゃんモード突入ね」

 「どうしてシリアスは長く続かないのかねぇ」

 「おそらく五秒しか真面目になれない病気かと」

 「ショーとはどういう意味かな?」

 「そのまんまだよ。

弱者を装えば同情を引けると思ってるのだろう?」

 「甘ったれるな、このDQNがッ!

 「なんだと…?」

 「たかが分析結果一つで、ホロコーストは無くならない。

たしかにガス殺には怪しい点はあるが――――」

 「ガス室は嘘だと認めるんだな?」

 「うっ……」

 「認めるんだな!?」

 「そ、それは……」

 「アウシュヴィッツ博物館のガス室は偽物だ。

構造からも、そして青酸ガスの反応からも『ガス殺があった』という証拠は何一つない。

なにより、検察はガス室の立証が全然できていない!

 「ぐっぐぅぅううう!」

 「たしかにできてませんね」

 「判事! ホロコーストは何もガス室に限ったことじゃない!

ナチがユダヤ人をどれだけ残虐に殺してきたかは、ガス室以外にも多くの証拠がある!」

 「で、ガス室は?」

 「ふっ、勝負はお預けだ。今回は引き下がろう。

だがこれで勝ったと思うなよ

 「あんたは子供番組の悪者かよ……」

 「まあ、ガス室論争は神学論争のようなものですからね。

この手の論争は本人が負けと認めなければ負けではないので、どこまでも意地を張るんじゃないかと……

経験からして、『勝利宣言→逃亡』で勝負がつくのではないでしょうか?」

 「ホロコースト肯定派は反日コリアンのようなものだけどさ。

結局そのパターンかよ」

 「ほら、伝統だから」

 「うむ、伝統ならば仕方ないな」

 「ああ、伝統じゃあ仕方ないぜ」

 「なんの伝統なのよ……」

 「今ならまだ間に合う。いい加減、降伏したらどうだ?」

 Nuts![ナッツ!](糞喰らえだ!)

ええぃ次だ次! 次へ行くぞ!」

 「正式な降伏勧告に罵声を返すとはヤンキーはモラルがなっておりませんな」

 「だから“ヤンキー”なのだ」

 「というわけで休憩よん♪」